"死なないで"なんて、言わないで。
「母さん。これでいいの?」
「うん。すっごくかっこいい!お父さんそっくりね」
黒く輝くタキシードに散りばめられたラメは光が当たる度にキラキラ光っている。
髪はオールバックにしており、色気がいつも以上に出ている。
「それ、嬉しくないんだけど」
「なんで?」
「反抗期だよ!」
「あー、そういう事ね」
桐谷家が会場に着いたのは1時30分。
もう既に人が集まっており、挨拶を始めた。
桐谷家はそこそこの知名度があり、位は高い。
「桐谷さん!お久しぶりです」
「ええ、お久しぶり。」