"死なないで"なんて、言わないで。
「そちらは?息子さんですか?」
「そうなの。」
「桐谷高貴です。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします!しっかりしてらっしゃいますね」
「私達も娘を連れてきたんですよ。香織!」
「はい!」
名前を呼ばれよってきたのは、メイクの濃い20代の女性だった。
ぶりっ子の仕草で、あまりタイプでは無い。
「香織です!よろしくお願いします!」
「はい」
「2人並ぶといい感じだな」
「そうですね!もしよければお見合いでも」
「よろしいのですか!良かったわね香織」
「はい!イケメンの方とお見合いなんで?最高です!」
うゎー、勝手に決められるたし。
べたべた触んなよ……。
助けを求め会場の入口の方を見ると1人、見覚えのある姿があった。
紺色のドレスにレース。
綺麗だ。