"死なないで"なんて、言わないで。
「あー、お帰りなさいませ」
「居眠りしてたでしょ」
「目を閉じていただけですよ」
「へー、信じないけど。叶逢今から練習?」
「うん!」
「轟、スケート場にいって。私も久々に滑ろうかな」
「滑ろ!」
車で走ること30分。
叶逢の通うスケート場は古くから使われており、一般の人は入れないスケート場。
100人ほどの人達が通っており、その中に2人も入っている。
車に積んであったスケート用の用具を取り出し受け付けに向かった。
「こんにちは!」
「おぉ、久しぶり」
「久しぶりー、滑ってもいい?」
「いいぞ!」
明るく出迎えてくれたのは、スケート場の管理人 田中 浩二(タナカ コウジ)だった。