"死なないで"なんて、言わないで。
心配していりのか、閉じ込めているのかわからない。
そう思うほどの冷静さだった。
茅菜が向かったのは、自分の家だった。
「誰もここに居るって思わないよね」
誰にも見つからないように部屋に戻り、隠していたもう一つの携帯を操作した。
「轟に電話しないと」
何コール待っても轟が出ることは無かった。
慌てて叶逢にもかけるが同じ結果だ。
「なんで出ないの!」
最終手段で茅菜は高貴に掛けてみた。
『茅菜?どうした?』
「高貴!叶逢は?」
『叶逢?隣に居るけど』
「携帯は持ってない?」
『なんか無くしたみたい』
「そう」
『それより今どこにいるの?』