一生一緒
誰も何も言っていないのに倉庫の入り口から一斉に離れたメンバーが陣形を取る。






「…確認しろ」





私を降ろし、背中に庇いながら棗が誰にともなく言う。





一人の少年がそっと入り口から外を確認すると……





「っ!一将!!!…大丈夫です!!!」





誰かの名前を言って直ぐに外が安全だと言うことを伝えて外に出ていった。





「……?」





心配になって思わず棗の服の裾を掴む。





棗は安心させるように少しだけ笑い下に降りていく。





アキラや斎、敏次も2階から出てきた。





外では何か騒ぎ声が聞こえたかと思うと先程出ていった少年が一人のボロボロになった少年を支えながら戻ってきた。





「一将!!」





皆が口々に言う為、このボロボロの少年は一将と言う名前なのだろう。





頭や口から血が流れていた。





「誰にやられた!?」と環





「…っし、知らない奴です!!白のセダンに乗ってた奴が急に降りてきて……」





「どっかの族か?」





「けど今はどことも抗争はないはず」






「何人いた?」





「そ、それが一人です……しかも相手は多分大学生です」





一将がそう言った時私は自分の心臓が大きく鳴るのを感じた。












白のセダンに乗った大学生………











「相手の顔を覚えてますか?」と無限





「…スッゴい整った顔をしてました……あ!そう言えば……」





そう言って一将は自分のポケットをゴソゴソと探ると一枚のカードを出す。






「これは?」とアキラ





「…そいつが…俺の正体だって……」






それは白地に一輪の薔薇が描かれているカード。



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