一生一緒
何度も何度も繰り返される甘いキスに私の足は次第に力が入らなくなる。




棗に抱き締められていなかったら今頃座り込んでいただろう。





もう限界と言う意味で棗を見上げれば…





「そんな顔されて我慢できると思ってるのか?」





咄嗟に頭を下げれば直ぐに顎を掴まれ上を向かされる。





「も…むり……」





「好きだ」





真っ直ぐな言葉で言われてしまえば抵抗できるはずもなくまた塞がれてしまう口。





「……今までずっと我慢してたんだ。余裕なんてあるはずない。」





嘘だ。





こんなにも女慣れして余裕な態度をしているくせに。





キスは触れるだけの軽いものもあれば蕩けるような深いものもあり私は遂に限界になって膝から崩れ落ちた。






さっと棗が私を抱えると力なく棗に寄りかかる。






「これから遠慮はしないからな。」






その言葉に私は顔が赤くなるのが分かった。


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