一生一緒
全員が静かになったとき、私はやっと冷静になって斎の首を触った。





微かに脈を感じ取れる。






しかしそれはとても弱々しく危険な状態だと言うことを嫌でも理解してしまう。






「っ斎!死なないで……」






いつも無視をしているのに彼らは諦めず私に話しかけ笑いかけてくれていた。






能天気に見えて実は人の気持ちに敏感である双子の片割れ。






斎を肩で支えながら部屋から出る。






しかし小さいように見えても彼は男。






今まで気付かなかった斎の体の逞しさに唇を噛む。





自分の力だけじゃ支えるのが限界でここから逃げるなんて事は出来ないと瞬時に悟ってしまう。







どうすれば……






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