一生一緒
「…クスッ。……黒姫は儚げに見えて実はじゃじゃ馬だったんだ」
ゾクッと体がした。
直感で油断できない相手が居ると分かってしまう。
ゆっくりと振り向けば綺麗な金髪に漆黒の瞳をした少年が静かに立っていた。
ただ立っているだけなのにその存在感はとても大きく私は無意識にそっと一歩下がる。
「面白いね、君。まさか黒羽総長が一人の女を作るなんてって信じられなかったけど、君なら分かるような気がする。」
気付けば彼は目の前にいて。
いつの間に……
顎を掴まれ上を向かされる。
同じ漆黒の瞳なのに彼のものは冷たくて、まるで雪のさらに下にある氷河のような静けさと冷たさをしていた。
無意識に男の手を弾く。
「…ふーん。お飾りの姫って訳じゃなかったんだ。………いいね、面白くなりそうだ。」
クククと笑った男の背後から先程私が倒した四人の男達がぞろぞろと出てきた。
「!?総長!!!」
「何?お前たちこんな子にやられてんの?」
「す、すいません!!!油断して……」
次の瞬間そう言った男の頭を回し蹴りした男。
「あんまみっともない姿見せんじゃねーよ」