一生一緒


そして部屋に残ったのは無表情だが明らかに怒っている雰囲気のこの男。






「な、棗?」





名前を呼べば見つめてくる。






しかしその瞳には明らかに怒りが含まれている。






私は気まずくなり目線をそらすとベットがガタっと軋んだ。






かと思うとポスンと背中にベットのマットが当たった。






どうして自分が棗に押し倒されているのか全く分からない。






「棗?」





「…どうしてあんなことを言った?」






「あんなこと?」





どのこと?





純粋に聞き返すと明らかに怒りのボルテージが上がったのを感じた。





この時ほど棗の無表情が怖いと思ったことはない。





「…棗っ…ん……や…」





突然激しいキスをされる。




それはいつものような温かいものではなく、強く乱暴で全てを壊してしまいそうなキスだった。





「…な……つ…」




名前を呼ぼうと口を開けば直ぐに入ってくる熱い舌。





必死に棗の服を掴む。





頭を動かそうにも左手で固定されて。





棗の口が私の口から首筋へと降りる。





「あっ……」





ビクリと体が反応してしまう。



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