一生一緒
ゆっくりと嵐のように降り注ぐキス。





全身がゾクゾクと震える。





「…や……つめ……」





「俺はお前のなんだ?」





「……?」





言われた言葉の意味が分からずぼーーっとした瞳で漆黒の瞳を見つめるとまた口にキスをされた。






「お前は俺をどう思ってる?」







力強い瞳がすぐ目の前にあった。






「……大切だよ」





「じゃぁ俺はお前のもの。お前は俺のもの。いいな?」





やっと棗が言いたいことが分かった。






「あ、あのときは紅蓮に怒ってて…その咄嗟のことで言っちゃっただけで……」






そう言うと棗はムッと眉を寄せた。






「あいつの名前を呼ぶな。」






「え?」






「俺を呼べ、美幸。」






「棗?」





そう言うと今度は満足そうな笑顔でいつもの優しいキスをしてきた。





やっと機嫌が戻った総長に私は微笑んだ。






その笑顔をみた棗は





「襲うぞ」





バフン





その恐ろしいくらいに整った顔に見事に枕が命中した。


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