一生一緒
てっきりバイクで移動すると思っていた私は目の前の車を見て目を丸くした。






助手席のドアを開けてくれる棗に私は首をかしげる。






「この車どうしたの?」






見るからに棗好みのスポーツタイプの黒のセダン。






「両親から俺の誕生日プレゼントで貰った。」






「そうなんだ。じゃぁよろしくお願いします。」





笑って言うと珍しく棗も笑う。






私を車に乗せると運転席に回って棗も車に乗り込む。






「美幸。」






名を呼ばれ棗を見れば重なる唇。






突然の事に目を丸くし、しかし直ぐに息が続かなくなり目をギュッと綴じると唇は離れてポンと頭に手がのった。






「な、棗…」






「……似合ってる。」





それだけ言って彼は車のエンジンをかける。







今日1日私の心臓が無事に過ごすことが出来るのか、とても心配になった。






彼の耳元で光る深紅のピアスが彼の妖艶さをより引き立てている。
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