一生一緒
トラウマ
だいぶ肌寒さが感じられるようになった11月。






棗からの電話に私は部屋を出てマンションの一階に降りる。






棗はマンションの前にバイクを停めてそれに寄りかかって空を見上げていた。






ただそれだけなのにそこだけまるで別空間のように輝いて見えるのはどうしてだろう…。






私が降りてきたのを見るとさっとドアまで来てくれる。






無表情なのにその隠された優しさが私にはむず痒くて。






「待たせた?」






「いや。」





棗はさほど力を入れずに私を持ち上げバイクに乗せてくれた。





お互い無口同士、しかし決して気まずいことはなくむしろ他の人の迎えよりも和んでいる自分がいる。






棗の安全運転で倉庫まで行く。






「「「「「「こんちはっ!!!! 」」」」」」







この叫びとも言える挨拶にも慣れて私は微笑んで二階へと上がっていく棗についていく。

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