一生一緒
それからは毎日が地獄だった。





学校にもまともに行けず、体調不良と言うことで児童相談所も確認には来なかった。






毎日家の家事をしながら暴力に耐え、気が付けば暴力を振るわれるようになってから7年。





身も心もボロボロで学校にも全く行けず立花家の中で静に存在を消していた私を助けてくれたのが昌廣さんと伯。





当時私の小学校の先生だった伯が不振に思い家を訪ねてくれた。





それがきっかけで私はあの家から逃げ出すことが出来たのだ。






「それから私は昌廣さんと伯に色々な事を教わってきた。勉強も体の動かし方も。だけど…まだあの時のトラウマが消え去った訳じゃない。だから人との接触もとにかく嫌だった。だけど今は学校にも馴染めて、友達も出来て、仲間と呼べる皆がいる。私の人生は大きく変わった。これが私の過去。」





「よく言えたな」





偉いぞと言うように昌廣が頭を撫でてくれる。





「……話してくれて、ありがとうございます、美幸さん。」





「俺たちに話してくれて嬉しいし、話を聞いて多分全員思ったんじゃないかな?生きててくれてありがとうって」





「うん。あともう一つ!」と斎





「僕たちと出会ってくれてありがとう!」と環





その言葉に救われたような気がした。





そんな私を伯が抱き締めてくれる。





「ところで、美幸さんが行方不明になって里親の方は動いてないのでしょうか。」





無限が確認するように昌廣に聞く。





「向こうが騒げば問題になるだろう。一応警察のトップには事情を説明してるが、今の段階じゃ警察は動けないんだ。」






昔からの友人が警察のトップだそうだ。





私はそこまでして私を守ってくれている昌廣さんと伯に感謝を込めて抱きついた。




ベリっと棗に引き剥がされたのは言うまでもない。
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