一生一緒
やっとのことで出た言葉がそれだった。







「えーー?大事な大事な行方不明の妹を探すのは兄の役目だろ~?」






瑠依の顔を見て確信する。







今までの黒羽への嫌がらせはコイツらが原因だと。







薄茶色の少し長めの髪に焦げ茶色の瞳の彼、立花瑠依はその整った顔を歪んだ笑顔でいっぱいにした。






「みんな待ってるんだぜ?お前が帰ってくることを。」







……嘘だ……







それは家族として帰ってくることを言っているのではないと嫌でも分かってしまう。







「…っ帰らない!!」







その言葉を聞いた瑠依は余計ニヤっと笑った。






「ふーーん。じゃぁお前の面倒を見ているあのおっさん達が捕まってもいいわけね」







「……え?」







「お前の親権は父さんが持ってる。そして今のお前は行方不明。さぁ、俺たちがお前の捜索依頼をしたらどーなると思う?」

瑠依が残酷に笑った。








「……」








そうだ。伯も昌廣さんも女子誘拐犯とされてもおかしくないリスクを背負って私の面倒を見てくれている。







今だその事が問題になっていないのは昌廣さんの友人である警察のお偉いさんのお陰と、この人たちが行方不明届けを警察に出していないから。







「分かってるだろ?お前さえ帰ってくれば他の奴らなんてどーでもいいんだよ。」






「……っ」何も言い返せない。








しかし確実な事が1つだけある。

















次、この人たちの所に戻れば私は二度と外には出られないだろうし最悪死ぬだろう。
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