一生一緒
黒羽
私は男の瞳を思い出しながら自販機でミルクティーを買い、いつもの場所に向かう。




あの闇を知らない瞳に一瞬吸い込まれそうになったのを思い出す。




気高い雰囲気で彼が只者ではないことが嫌でも分かる。




じりじりと照り返す日差しに少し歩いただけで私の体は限界を迎えそうだった。




体にこもった熱を少しでも冷ますために買ったばかりのミルクティーを頬に当てる。




ひんやりとした冷たさが一部だけ広がる。




自然と出る溜め息。




お目当ての場所に着くとさっそくミルクティーを一口飲む。




しかし味は変わらず分からないままだった。



その虚しさに私はまたそっと溜め息を着く。



本を読むためページを開くが内容が頭に入ってこない。




また溜め息をついて壁に寄りかかりそっと瞼を閉じる。




そのまま目の前に広がる闇に溺れそうになる。










正直このまま溺れたかった。








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