一生一緒

変化

伯は私が落ち着くまでずっと抱きしめてくれていた。





私が落ち着くと優しく問いかける。





「何があったんだ？」





私は答えようとして首をかしげた。





この部屋に呼ばれてそれから暴走してしまったがどうして呼ばれたの忘れてしまった。




だから答えきれず純粋無垢といった瞳で首をかしげ伯を見つめる。




「……うん。そんな瞳で見つめられても俺も困る」




二人して首をかしげていると見かねた無限が話を切り出してくれた。




「すみません、伯さん。実は俺達が美幸さんの事を気に入って側に居てもらいたくて勧誘していたんです」




それを聞いて、あぁそうだった、と思い出す私。




「勧誘って、俺こいつには関わるなって言ったよな？」




と、斎と環を睨み付ける伯。




「「僕たちが棗に背けるわけないじゃん～ー」」と棗の後ろに隠れる双子





「伯。無限は伯と似ていた。だから私の意思でここまで来たの。だけど……」




言葉に詰まると伯が一瞬驚いた顔をしたが乱暴に頭を撫でてくれた。




「ったく、心配させやがって。」




そして伯はふと長椅子に横になっている二人に目を向けた。




「お前ら何やってるんだ？」



「ハハハ。ちょっと負傷しまして」と微笑んで言うアキラ



「別に俺は負けた訳じゃない」と仏頂面で言う敏次




「？」




「あの二人の存在は気にしないでください。」と素晴らしい笑顔で言う無限