一生一緒
「ただいまー!……無限、美幸ちゃん大丈夫そう?」
環が部屋に入ってきて棗に抱き抱えられている私を見て目をつり上げた。
「ちょっと棗ー!僕そこまで許した覚えないけど!?」
「だよね~!僕たちの許可もなしにさ~!」
双子が何故か怒っているが涼しい顔でそれを聞き流している棗。
「まぁまぁ二人とも落ち着いてください。……美幸さん。先程言った隊についてですがその部隊の副長と挨拶をしませんか?これからこの黒羽に来る回数も増えると思うので社交辞令と思って」とにこっと笑って言う無限
私は少し考えて頷いた。
棗が察して私を膝から降ろす。
そのまま座っているのかと思ったらおもむろに立ち上り今度は私の腰に手を回し自分に近付けた。
「……その手はなんだ?」
咄嗟に両腕で棗に近付くのを防いでいる私。
「つ、つい……」
グッと手に力を入れる棗にさらに抵抗する私。
「慣れろ」
「嫌」
「……チッ」
私たちの攻防は続く。
コンコン
「あ、要たち上がってきちゃったよ~」と環
ドアを開けると敏次と三人の少年が立っていた。
敏次は私と棗の攻防を見て首をかしげ眉をしかめた。
「何やってんだ?お前ら。」
「夫婦漫才」とアキラが呟く。
珍しく無限が吹き出して笑った。
すぐに咳払いをして平静を取り戻した無限は三人を部屋の中に入れる。