一生一緒
「どういう風の吹き回し?父さん。」複雑な顔をして言う伯。
「一週間も北海道で会合があるなんて聞いてないよ?一泊二日じゃなかったっけ?」
「……可愛い子には旅をさせろって言うだろ?」
「だけどまだ早いんじゃないか?」
「いや、今の美幸なら大丈夫だと思ったんだ。」
「父さんは心配じゃないのか?」
「父親の勘さ。ハハハ」
「全く。」
「黒羽なら安心だ。そうは思わないか?お前自らが立ち上げたグループなんだから」
「あぁ。特に歴代最高最強なんてほざかれている棗が要るんだからな。だけどやっぱり俺は心配だな。」
「何かあれば駆けつければいい。本当に北海道に行くのは一泊二日でその前5日間は何処か近くでホテルでも借りればいいだろ?」
「そうだけど……けどまぁ俺もそろそろ子離れしないといけないのかな……?」
「俺たちはいつまでもあの子の親で味方だ。それだけは一生変わらない。だけどあの子はそれだけに甘えていてはいけないんだよ。あの子自身が道を歩いていかないと。」
「……やっぱり父親の経験には敵わないな」
ため息をついて二人は職員室に向かって歩き始めた。