一生一緒
ふと廊下が女子の悲鳴で騒がしくなった。



「？」



教室のドアを見ると颯爽と棗が走って来た。



息を切らさず一直線に私のところにくる。



「……本当か？」



後から無限とアキラ、最後に環が入ってきた。



「何が？」



「夏休みの一週間」



私はため息をついて頷く。



それを見て棗が笑った。それにまた教室中が煩くなる。



「では予定を決めましょう。美幸さん楽しみにしていてくださいね」と無限が嬉しそうに笑っている。



「？」



「無限が美幸ちゃんが来る一週間の計画を何か楽しく考えてくれるよ」と斎



え、私まだ行くと返事してないけど……



「絶対に来い」



棗が有無を言わさぬオーラを出してしかし愛おしそうに私の頬に手を触れる。



そして、私がそれを振り払う前に手をはずし教室を出ていった。



教室内の悲鳴はしばらく続いた。


< 54 / 213 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop