一生一緒
大きな荷物を持つ大好きな二人の背中を追いながら私は淋しさを隠すことが出来なかった。



「……やっぱり長いな、一週間。」



「大丈夫。あいつらと過ごしてたら一週間なんてあっという間だよ」と微笑んで言う昌廣



「お土産沢山買ってくるからな」と明るく言う伯



それでも私の顔に笑顔はない。



私の荷物が入った鞄を一緒に持ってエレベーターで1階まで降りてくれる伯。



そこには棗とアキラが待っていた。



「……伯、昌廣さん。やっぱり私も一緒に……」



「こーら。今更無理だって分かってるだろ?」と苦笑して私の頭をぐしゃぐしゃと掻き回す伯。



「何かあったらいつでも電話していいから」と昌廣



「……うん。」



浮かない顔の私を伯が抱き締めてくれた。



「お前と一週間も離れるのは俺たちだって淋しいんだぜ?だけどあいつらと一緒なら大丈夫。もう一週間終わりかって思うくらいあっという間に過ぎるから。」



「うん。伯も昌廣さんも気を付けて。熊に襲われないでね?」



遠くでアキラの笑う声が聞こえた。



伯も昌廣も笑いながら私の頭を撫でてタクシーに乗る。





私はタクシーが見えなくなるまで見送った。





棗が私の隣に立って頭を撫でる。



それを振り払う元気もない。



「淋しいけどそれを忘れるくらい楽しい夏休みにしようね。」とアキラ



私はアキラを見上げて、棗を見上げて頷いた。



「三人とも早くー!!」



リムジンから環が呼ぶ声がした。
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