一生一緒
私の住んでいるマンションの前にもう見慣れたリムジンが停まっていてその窓から斎が顔を出して手を振っていた。



棗が私の鞄をもって歩き出す。



運転手に私の鞄を預けて車に乗り込む棗に続いて私も乗り込んだ。



「おはようございます、美幸さん」



「おはよう、無限」



「ところで美幸さん。先程伯さんたちに熊に気を付けてと言っていたように聞こえたんですが…」



私はキョトンとしてそれから真剣な顔で頷いた。



「敏次が北海道では野生の熊が沢山いてみんな襲われて帰ってくるって言ってたから」



「「「「……」」」」



「あ……」と顔がひきつる敏次



「そうだったんですね。………敏次、後で話があります。」



笑顔で言った無限



「?」



「アハハ。気にしなくていいよ、美幸ちゃん」
と笑いながら言うアキラ



私は首をかしげながらも頷いて窓から外を見た。



「どこに向かってるの?」



「棗ん家の別荘だよ~!」と環



何故か洋服姿で浮き輪を被っている姿だった。



「別荘?ずっと?」



「はい。俺たち全員で一週間棗の家の別荘に泊まる予定です」



暴走族のことはよく知らないが幹部以上が一週間もいなくて良いのだろうか?



「倉庫なら大丈夫ですよ。俺たちの部下は優秀ですから」



私の考えていたことが分かったのか無限が安心させるように教えてくれた。



私は頷いてまた窓の外から見える景色を見た。
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