アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「僕もね、思春期の時に何かと世話されるのが嫌でね。今のつむぎみたいに、『自分でできる事は、自分でするから!』って言った事があるんだ。」

「へえ。五貴さんっぽい。」

「でもね、後で父に叱られた。」

そう言って五貴さんは、その時の事を思い出したかのように、前のめりになりながら、笑っていた。

「あの者達は、おまえの世話をするのに、雇ったんだって。おまえは、人の仕事を奪う気か?って。」

「はあ……」

慣れない世界に、私の方が呆気にとられた。

「その時の僕は、もちろん仕事をした事がないから、それがどんなに悪い事なんて、知りもしなかったけれど。だんだん大人になるにつれて、それが分かるようになってね。以来、彼らのやる事に、手を出さないようにしているんだ。」

「うーん……」

五貴さんの説明を聞いても、まだピンとこない私。

だってそんな暮らし、したこともないもの。
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