アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「まだ、分からないよね。」

「う、うん……」

やばい……

バカだと思われたかな。

私は、五貴さんにだけは、バカだと思われたくない。


「例えば、つむぎが家事全部やってしまったら、どうなるだろう。」

「……うーん。彼らは、必要なくなる?」

「そう。そうだとしたら、必要じゃない人を雇っておくほど、うちは甘くない。彼らは解雇されて、生活の糧を失ってしまう。」

「ええっ!」

なぜか、2か月前の私と重なってしまった。

「だから、言っただろう?彼らの仕事を、奪っちゃいけないって。」

「は、はい。」

大変な事になってしまう訳ね。

彼らが私のように無職になったら、さすがに心が痛む。

と言うよりも、私はそこまで家事が得意じゃないんだから、黙って彼らに任せよう。


「そう言えば、彼は何て名前なの?」

「名前?ああ、林だよ。」

私の頭の中に、運転手の人が、思い浮かんだ。
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