アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
五貴さんが目を覚まして、私は布団の中に入って、寝ている振りをした。

「つむぎ?」

目を擦って、私と同じようにため息をついている。

「……騙すつもりはなかったんだ。年甲斐もなく、君を好きになって。好きになれば好きになる程、言えなかったんだ。つむぎに……嫌われたくなくて……」


五貴さんのその言葉を聞いて、胸が締め付けられた。

私が嫉妬する以前に、私に伝えるかどうか、苦しんでいたなんて。

「つむぎ。俺がバツイチで、子供がいるって知っても、一緒にいてくれるよな。」

弱々しい言葉。

きっと、私が側にいるか、不安なんだ。

私はそっと、五貴さんの手を握った。


「えっ?つむぎ?」

私は、ゆっくりと目を開けた。

「……一緒にいるに、決まってるじゃない。私は、五貴さんが好きなんだから。」

「つむぎ!」

五貴さんは、横たわっている私を、ぎゅっと抱きしめてくれた。
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