アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
やっぱり。

あのちらっと、五貴さんと一緒に、挨拶した人だ。

「……覚えて下さったんですね。」

「うん。」

なんかすごいフレンドリーな人だな。

「あの……今、社長をお呼びしますね。」

私は、社長室のドアを開けた。


「へえ、君。ここで働いているの?」

私は一瞬考えたけれど、それ以外、ここにいる答えはない。

「……はい。」

「ふうん。ここにいるって事は、五貴の今カノ?」

目が点になりながら、その人を見る。

今カノって……

そりゃあ、私は今の彼女って言うか奥さんで、内本さんは元カノだけれど。

その言い方って、他にも彼女を秘書にしていたみたいじゃないの~~!!


その瞬間、押さえていたドアが、フアッと軽くなった。

「有我。この人は、俺の奥さんだって、言っただろ。」

五貴さんが、私とその人の間に、割って入った。

「五貴!」

五貴さんと会ったその人は、物凄く嬉しそうだった。
< 155 / 255 >

この作品をシェア

pagetop