アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「大体、何でこんな朝早くに、ここにいるんだよ。」

「すまん。どうしても、五貴に会いたくてね。」

その人は、スッと社長室に入って行った。


五貴さんに、負けず劣らずいい男。

身長が高くて、髪がさらさらで。

五貴さんと並んで立っていると、映画の撮影に訪れた俳優さん達みたいに見える。


「つむぎ。この前も見たと思うが、俺の友人の益城有我だ。」

五貴さんは、友人なのに迷惑そうだ。

そりゃあそうだ。

午前中は大抵、会議で忙しい。

それなのに、アポなしで来るなんて。


「よろしくね、奥さん。」

しかも、私にウィンクとかしてるし。

「こちらこそ。」

これも妻の役目だと思って、胡散臭いと思いながらも、深くお辞儀をする。

「かわいいね。奥さん、歳いくつ?」

「……24歳です。」

「うっそ。24?一回り以上も、歳違うのかよ。」

有我さんは、やられたーって言う風に、額を押さえていた。
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