アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「ううん。五貴が仕事の打ち合わせみたいだったから、一度外に出ただけ。」

スーツのポケットに手を入れて、ニコッと笑う様は、爽やか御曹司って言う感じだ。

「そうですか。本当は、お茶でも淹れなければならないのですが、これから私も仕事がありまして。」

「はははっ!いいよいいよ。玲亜ちゃんに、淹れて貰うから。」

私が慣れない社長夫人風に(?)言ったのに、見事に笑われてるし。


と言うより、内本さんに淹れて貰うからって、どんな意味なんだ?

内本さんに”あえて”、淹れて貰いたいって言う意味?

ここでも、美人秘書への特別感が現れるのか?


「あっ、では。私はこれで。」

軽く一礼をしたのに、なぜか付いてくる益城さん。

「ねえ、これからどこに行くの?」

「私は、会議室です。」

「何しに?」

「……会議の準備に。」

「見ててもいい?」

「……どうぞ。」

私に付いてくるなんて、余程暇なのか。
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