アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「あの……」

「あっ、また”あの”って言ってる!」

「えっ!」

駄目だ。

完全に、益城さんのペースに引き込まれている。

「その”あのちゃん”って、止めて頂けませんか?」

「どうして?可愛いじゃん。」

「口癖をもじられるなんて、いい気分になりません!」

私は不機嫌そうに、顔を横にした。

「なーんだ。せっかく可愛いニックネーム付けたのに。」

「いりません。」

私は疲れて、勢いよくソファに座った。

益城さんも、私の向かい側に座る。


「つむぎちゃん、俺、なんか飲みたいな。」

「はっ!すみません!」

今座ったばかりだと言うのに、飛び上がる私。

それを見て笑いを堪えている益城さんを見ると、そこだけ五貴さんに似ているような気がした。


私は、社長室の中にある給湯室に行った。

ここには、五貴さんセレクトの、美味しいお茶やコーヒーが、所狭しと並んでいる。
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