アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
五貴さんがいない時は、私が相手をしなきゃ!

私は両手で頭をポカポカ叩いて、気合を入れた後、益城さんの向かい側のソファに座った。


「つむぎちゃんも、コーヒー飲んだら?」

「いえ、お構いなく。」

お客様と一緒に、同じコーヒーを飲む秘書がいるか!

「へえ。つむぎちゃんって、意外とお堅いんだね。玲亜ちゃんなんて、喜んで飲むよ。」

ううっ……

内本さんだったら、やりかねない。


「ところで五貴の前の奥さん、知ってる?」

「えっ?」

顔を上げると、益城さんは平然としながら、コーヒーを飲んでいた。

「……いえ、知りません。」

「そうなんだ。有名だよ。高橋美乃里って知らない?」

「高橋美乃里?」

その名前を聞いて、ファッション誌の表紙を思い出した。

一時期、いくつものファッション誌のカバーを飾ったって、ニュースでやっていたような。

でも、実業家と結婚して、第一線を外れたって……
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