アラフォー×バツ１×IT社長と週末婚

さっきまで思い浮かんでいた、五貴さんの幸せな笑顔が、ガラスが割れるように、壊れていく。

「それから五貴と美乃里は、喧嘩が絶えなくなってね。あんなに仲が良かった夫婦仲も崩壊。まあ、離婚した後はしばらく、美乃里が空の面倒を見ていたんだけど、出口の見えない介護に、美乃里も壊れてしまった。今はほとんど、五貴が空君の面倒を見ているって話。」

私は、奥歯を噛み締めた。

「それ……本当の話ですか？」

「俺が嘘ついて、どうするの？実際に、平日は五貴、家に帰って来ないでしょ？」


私の気持ちを見透かされているようで、辛かった。

五貴さんの背負った運命を、まるで自分が背負ったかのように、肩が重かった。


「これを聞いてもまだ、五貴と一緒にいようと思う？」

私は、益城さんを睨んだ。

「どういう意味ですか？」

「単純な事。つむぎちゃん、まだ若いでしょ。こんな重い話、五貴と一緒に背負う事、ないと思うんだよね。」