アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「何を言ってるんですか?私は、五貴さんの事が好きだって、言ったじゃないですか。」


そりゃあ最初は、イケメンでお金持ちそうで、興奮したのは否定しないけれど、一緒にいて五貴さんの優しいところに、惹かれたんだもの。


「大体そんな話、どこまで本当かも分からないですし。」

「じゃあ、確かめてみれば?」

益城さんはゾクッとする程、冷たい視線を私に投げかけた。

「確かめてみればって、場所も知らないし。」

「場所なら、一か所しかないでしょ。」

「えっ?」


その時だった。

社長室が開いて、五貴さんと内本さんが帰って来た。

私は立ち上がって、益城さんから離れた。

「お帰りなさい。お疲れ様でした。」

「ああ。」

五貴さんが、私の顔を覗く。

「どうした?つむぎ。何かあったか?」

「いえ、大丈夫です。」

嫌だな。

今は、誰にも見られたくないのに。
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