アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
でもさすがは五貴さん。

直ぐに益城さんの方を向いた。

「有我。つむぎに何を言った?」

「別に。世間話だけ。」

有我さんは知らない顔をして、コーヒーを飲んでいる。

「つむぎ?」

五貴さんが、私の腕を掴んだ。

心配そうな表情。

やっぱり、五貴さんは優しい。

「うん、益城さんの言う通り、世間話してただけだから。」

私は、無理に笑った。

「そうか。」

少しだけ安心する五貴さんを、騙しているようで、胸が痛んだ。


「益城さん、コーヒー淹れ直しますね。」

「おお!気が利くね。」

益城さんの目の前にあるコーヒーカップを持つと、私は給湯室に行った。

少し上にある棚から、コーヒー豆を取ろうとした時だ。

「これ?」

五貴さんが、私の代わりに棚から、袋を取ってくれた。

「ありがとう。」

久々に、五貴さんと二人きりになれた気がする。
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