アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
でもそれは、五貴さんも一緒だったようで、そっと後ろから抱きしめられた。

「俺がいない間に、有我に口説かれたりしなかった?」

「ははは。しないですよ。どうやら、私はタイプじゃなかったみたい。」

笑って誤魔化したけれど、五貴さんにバレたりしてないかな。

「よかった。」

五貴さんのよかったが、やけに耳元に聞こえて、胸がキュンとする。

「俺も、つむぎが淹れたコーヒー、飲みたいな。」

「うん。一緒に淹れるね。」

ようやく五貴さんが、私から離れて、内本さんの元へ戻って行った。


私はと言うと、みんなに聞こえないように、小さくため息をつく。

- 場所は、一か所しかないでしょ -

と言う事は、空君が入院している場所は、私が五貴さんに連れて行ってもらったあの病院だ。

小児科なのかな。

きっとそうだよね。


私はまた余計な事を思い出しながら、二人分のコーヒーを淹れた。
< 180 / 255 >

この作品をシェア

pagetop