アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「なんで……インドネシア語?」

「ビジネスに必要なんだよ。これからは、東南アジアが工場の主流になるからね。」

そしてまた、英字新聞を高速でめくった。


「ねえ、もう朝ご飯食べたら?」

「食べるよ。つむぎも早く食べて。」

英字新聞を読んでいると言うのに、私がまだ朝ご飯に手を付けていない事まで知っている。


「五貴さん。せっかく二人でいるんだから、新聞なんて読んでないで、お話でもしようよ。」

「新聞なんか?ダメダメ。これも朝の貴重な仕事……」

すると林さんは、五貴さんが読んでいる新聞を取り上げた。

「食事中に新聞を読むのは、如何かと思います。」

「……分かった。」

そして五貴さんは、優雅に朝ご飯を食べ始めた。


「五貴さんは、林さんの言う事だけは、聞くのね。」

「だってあいつ、怒ると怖いんだよ。」

五貴さんはコーヒーを飲みながら、林さんの背中を睨んでいる。
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