アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
私も、表情が固まった。

「……誰から聞いたんですか?」

すると益城さんは、余裕たっぷりに答えた。

「五貴の、お父さんからだよ。」


五貴さんのお父様?

友達の友人の父親だからと言って、どうして昨日の事をもう知っているのだろう。


「俺もね。昨日の夜。空君の病室、行ったんだ。」

「えっ?よく行けましたね。空君の病室は、家族以外面会できないんじゃ……」

「あんな場所、案内無しでも行けるよ。てっきり五貴がいるのかと思ったら、お父さん一人でさ。で。五貴はつむぎちゃんと一緒に家に帰ったって言うんだ。その時の俺の驚きようって言ったら、想像できる?」

「さあ……」

その瞬間私の頬の横に、益城さんの腕が飛んで来た。

もしかして、壁ドン!?

いや、こんな怖いモノ、壁ドンとは言わない。


「いやあ。天地がひっくり返るかと思ったよ。」

益城さんは、私の顔を舐めるように、見てくる。
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