アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「五貴はモテるからね。いろんな女が、五貴の周りにいたよ。だけど、一人として空君から引き離せなかった。結婚もそう。君だけなんだよ。五貴を変えたのは。」

私は頬を、エレベーターの壁に押し当てる程に、横を向いた。

「興味を持ったよ。どんな女だろうってね。」

その瞬間恐怖で、私は腰を抜かしてしまった。


「おっと、大丈夫かい?」

益城さんが手を伸ばした時、ちょうどエレベーターの扉が開いた。

「つむぎ!」

入って来たのは五貴さんで、手を伸ばしていた益城さんを、私から押し離した。

「大丈夫か?つむぎ!」

「は、はい……」

五貴さんは、私の体が小さく震えている事に気づいた。


「有我!つむぎに、何をしたんだ!」

「何って?別に何もしてないけど?」

「嘘つけ!」

五貴さんは、益城さんの胸倉を掴んだ。

「何もしないで、つむぎがこんな風になるか!?」
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