アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「確かに言う通りだが、本当に何もしていない。」

益城さんと五貴さんは、しばらく睨み合った。


「あの……」

私は、五貴さんのズボンの裾を持った。

「本当に大丈夫だから。」

「つむぎ……」

「貧血で倒れたところを、益城さんが心配してくれていたの。」

その瞬間、益城さんの眉がピクッと動いた。

「……本当にそうなのか。」

五貴さんは、益城さんにも迫った。

うんともすんとも答えない益城さんに、五貴さんは手を勢いよく離した。


そしてそのまま何も言わず、私を抱きかかえてくれた。

「悪かったな、有我。」

そう言って五貴さんは、私を連れてエレベーターを出た。

エレベーターから社長室までは、ほんの数分で着いて、五貴さんは私をソファに寝かせてくれた。

「ありがとう、五貴さん。」

「ああ。」

五貴さんは心配なのか、床にそのまま座ってしまった。

「つむぎ。本当に、貧血だったのか?」
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