アラフォー×バツ１×IT社長と週末婚

五貴さんの言葉に、一瞬息が止まる。

「ごめんな、つむぎ。有我は、俺のモノだと分かると、途端に欲しくなるんだ。今までの彼女もそうだった。俺が興味なくなると、有我も一緒に興味を無くす。それで何人も泣いているを見ているんだ。」

「そうだったんだ……」

「俺、つむぎを手離したくない。有我に泣かされるなんて、耐えられない。」

どうしてなのだろう。

五貴さんが、泣いているように見えて、私はそっと五貴さんの手を握った。


「大丈夫です！私、結構本気で、五貴さんの事好きなので。益城さんに言い寄られても、心が変わる事はないと思う。」

「つむぎ！」

五貴さんは、ぎゅっと手を握り返してくれた。

一緒に微笑み合って、私と五貴さんの間に、いい雰囲気が流れた。

「つむぎ……」

少しずつ、五貴さんの顔が近づいてくる。

私もそっと、目を閉じた。


その瞬間、カバンがドサッと落ちる音がした。