アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「泣くな!」

「はい!」

「泣く暇があったら、会議の時間を、30分遅らせるって、部長達に伝えて来い!」

「はい!」

私は社長室を出ると、ダッシュでエレベーターに乗った。


「あっ、つむぎちゃん!」

なぜか、同じタイミングでエレベーターに乗って来た益城さん。

ちと疑問なんだけど、今までどこにいたんだろう。

あんなに落ち込んでいたのに、テンション戻ってるし。

「どこ行くの?」

「部長達のところです。」

「何しに?」

「会議が、30分遅れて始まるって事を伝えなきゃいけないんです。」

「どうして?」

「私が、五貴さんの作った資料、無くしてしまったから。」

そこまで言って、私は口を塞いだ。


「へえ。で?五貴に怒られたの?」

「……怒られました。」

「はははっ!五貴、つむぎちゃんに怒ったんだ。つむぎには、何されても何をされても、怒る気になれないって、言ってたのに。」
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