アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
私が、結婚を受け入れられない事を。

それを知った上で、もう少し一緒にいたいと、言ってくれているんだ。


私、この人の優しさに、甘えていいのかな。

リムジンから見える外の風景を見ながら、私は茫然と、その窓に映る折橋さんを、見つめ続けた。


気が付いたのは、30分ぐらいしてからだろうか。

リムジンが、オフィス街に入って行ったからだ。

「あれ?ここって……」

「僕の会社です。」

立派なガラス張りのビルの地下に、リムジンは吸い込まれて行った。

だだっ広い駐車場の、一番奥にリムジンが停まり、私は折橋さんと一緒に、車を降りた。

「こちらです。」

全く知らない場所で、折橋さんに従うしかなく、私はただ彼の後ろをついて行った。

「このエレベーターはね、直接僕のオフィスに、繋がっているんだ。」

そう言って、折橋さんは私の背中を押した。


エレベーターは動き始め、私と折橋さんの二人きりになった。
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