アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
やがてエレベーターが、最上階へ着くと、折橋さんの唇は私の唇から離れ、私達はお互いに見つめ合った。

「……どうぞ。」

恥ずかしそうに、顔を背けた折橋さんの脇を通って、私はエレベーターを降りた。


う~~。

私、こんな大胆だっただろうか。

きっと、折橋さんが周りの男性よりも、年上の人だからだ。

大胆になっても、受け止めてくれるって言うか、何て言うか、その……


「つむぎさん。」

「は、はいっ!」

急に背筋が伸びた。

「ここが、僕のオフィスです。」

扉が開かれると、そこは豪華なホテルの一室のような、雰囲気だった。


「お帰りなさいませ。」

少し離れたところに、綺麗な黒髪ロングのお姉さんが、頭を下げて待っていた。

「ただいま。」

折橋さんは何もなかったかのように、自分のデスクへと歩いて行く。

「あなたが、水久保つむぎさんですね。」

「は……はい。」
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