アラフォー×バツ１×IT社長と週末婚
「うん。分かった。」

ふと折橋さんを見ると、彼も恥ずかしそうに俯いていた。

お互い恥ずかしくなりながら俯いているけれど、折橋さんはアラフォーだ。

きっとモテるだろうし、女性経験もありそうなのに、私とキスしただけで、どうしてそんなに、恥ずかしがるんだろう。

いや、ここはそこに敢えて触れず、さっきの女性が言っていた言葉を、明らかにした方がいい。


「あの、それでさっきの方の……」

「ああ！それね。」

思い出したかのように、体を起き上がらせ、折橋さんは私に向かって微笑んだ。

「実はつむぎさんに、僕の秘書になって貰いたいんだ。」

「秘書！？」

あまりの展開に、声が裏返る。

「まだ、仕事決まってないんでしょ。だったら、好都合だ。それに一人でやってくれとは言わない。さっきの女性は、内本君と言って僕の秘書だ。教えて貰いながら、やっていってほしい。」

私はポカンと、口を開けた。
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