アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「はい。」

「できる仕事にチャレンジしたって、人間成長しないよ。自分の中で未知の世界、できそうな世界に飛び込む事こそが、若い時には必要なんじゃないかな。」

「……ごもっともです。」

折橋さんは、酸いも甘いも嚙み分けてきたアラフォー。

一報の私は、そんな事も分からない、社会人になったばかりの甘ちゃん。

こういう時は、人生の先輩の言う事を聞いておいた方がいいのだと思う。

けれど私は……


「どうして、私なんでしょうか。」

折橋さんが、私の顔を覗く。

「どうして、秘書なんて難しい仕事、できそうにもない私に、その仕事を薦めるんですか?」

もし私が安請負して、秘書の仕事をしたとして、四苦八苦している私を見て、馬鹿にしたいんだろうか。

「僕は、つむぎさんとまだ数回しか会ってないけれど……」

「はい。」

「君は、仕事が好きなんじゃないかな。」

私は、ハッとして顔を上げた。
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