アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
両手を前で合わせ、内本さんに頭を下げた。

「では、早速見学に行きましょうか?」

「えっ!!」

いや、私なにも聞いていないのに、急に見学?

しかも、こんな訳の分かんない、ワンピース着て?


「内本君。明日からで、いいんじゃないか?」

「承知しました。」

冷静に、あくまで冷静に、内本さんは対処していく。

一方の私は、何か言われる度にビクビクして、何もできないでいるのに。

「じゃあ、私はこれで。」

そんな私は、もう必要以上にペコペコして。

なんで私、こんなに卑屈になってるんだろう。


「送るよ。」

折橋さんが、車のキーを持った。

「いえ。一人で帰れます。」

私は、両手を前に出して、それを止めた。

「それでは、失礼します。」

それこそ、額が足につくくらいに頭を下げて、そのまま社長室を出た。


「あーあ。疲れた。」

エレベーターのボタンを押して、ドアに体を預けた。
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