アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
これしかないだなんて。

十分だって言うのに。

「そんな事、言わないで下さい。」

私は折橋さんの優しさが、すごく伝わって来たから、心がポカポカしてきた。

「私、嬉しいです。こんな私に、仕事紹介してくれるだなんて。」


私と折橋さんは、顔を合わせた。

「なんだか……」

「はい?」

折橋さんは、少しだけ照れると、私の耳元で囁いた。

「二人のファーストキス、さっきじゃなくて、今だったね。」

「はああ?」

私は、おかしな声をあげながら、少しずつ後ろに下がった。

「はははっ!」

折橋さんの、楽しそうな笑い声。

それだけで、胸の奥がドキドキし始めた。


これからは、毎日折橋さんの側にいられる。

週末婚とか、おかしな事はできないけれど、それだったらいいよね。


エレベーターが1階に到着し、私は折橋さんと共に、エレベーターを降りた。

「それでは、明日9時にお待ちしてますね。」
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