アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
私が言わなきゃいけない事を、内本さんはスラッと言って、頭を下げている。

「へえ。秘書は、忙しいからね。例えば、こんなおじさんの面倒とか。」

部長は、内本さんの体を触ろうとしている。

ウワォ!

この昨今、堂々とセクハラしようとする人がいるの!?

なのに、慣れた手つきで内本さんは、部長の手を交わしている。

「いいえ。では、また来月お願いします。」

そしてあっという間に、1階のオフィスを出た。


「次は、2階です。」

直ぐにエレベーターに乗り、2階へ。

「あの……いつも、あんな風なんですか?」

「あんな風とは?」

「その……体、障ってきたり……」

その途端、エレベーターの扉が開く。

「さあ、行きますよ。」

「あっ……」

って、私まださっきの答え、聞いてないんだけど。


そして内本さんは、さっきのように、資料の受け取り、私の紹介を終えると、また部長の魔の手を交わして、2階のオフィスを出た。
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