アラフォー×バツ1×IT社長と週末婚
「今日は私がやりますので、少しずつ覚えていって下さい。」

「は……い……」

私の不安を読み取るように、内本さんはパソコンの前に座り、滑らかにキーボードを操る。

貰って来た資料が、パソコンの中で一つの冊子になっていく。

「これを会議で、お一人お一人に見て頂くのよ。」

「へ~。じゃあ、会議室には一人一人、パソコンが?」

内本さんは、黙って首を横に振った。

「タブレットをお持ちなのよ。」


タブレット。

一人一人、タブレット……

頭がついていけないのは、私が田舎者だから?


「そして、会議室の準備。」

スッと立ち上がった内本さんは、私に手招きしながら、また社長室を出た。

「会議室は、社長室の隣です。」

「はい。」

はっきり言って、内本さんに付いていくのが、精一杯です。

「コーヒーを準備して、椅子は曲がっていたらダメ。」

「はい、はい。」

とりあえず、内本さんの後ろだけは、キープした。
< 92 / 255 >

この作品をシェア

pagetop