君にベレー帽は似合わない
「お昼食べた?」
「まだ」
「じゃあ、昨日言ってたカフェに行く?」
「うん」

小さな手を握って、ゆっくりと歩き出す。

「あ、」
「どうしたの?」

メグちゃんは何かを思い出したように、突然立ち止まった。

「ハルくん」
「なに?」
「世界一かっこいい」
「え?」
「……私は、ハルくんのことが大好き、です」

帽子を少し下げて赤くなった顔を隠すメグちゃん。

どうしちゃったの!?
驚きと喜びで、感情がわからなくなる。

「メグちゃん、やっぱり家に帰る?」
「私はハルくんと一緒に、デートしたい」
「今日のメグちゃん、ほんっとに罪……」

あ、わかった! もしかして……

「酔ってる?」
「はぁ!? 酔ってないけど!?」
「いつものメグちゃんだ。それじゃあ、頬つねってくれない?」

むにーっと頬をつねられる。

「い、痛い! 夢じゃない」
「夢なんかじゃないよ? ほら、早く行こう」

腕を引っ張られる。

メグちゃんだけ、ずるいよ。
ボクだって伝えたい。

もっともっとボクの色に……

ねぇ、覚悟はできてる?

「ボクにも言わせて」
「なに?」
「世界一可愛いボクのお姫様。これからもずっと、そばにいてください」

午前0時になってもとけない魔法をかけてあげるから。

「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」

メグちゃんは幸せそうに微笑んで、ボクの頬にキスをした。
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