Wannabe
何処かの監督が撮った戦争映画は
リアリティが評価されていた。

大きな戦車もマシンガンも出てこない。
追い詰められ、絶望感が広がる塹壕の中。
其処の兵士達のやりとりだけを描いていた。


特攻を促す将校役が、オスカーを取った。
使命という麻薬が促した狂気によって
爛々と輝きを増す目が今でも忘れられない。


今の私の目も、きっとアレと同じなのだろう。

頭の中で、手榴弾を口に突っ込むシーンが
リピート再生のように、繰り返し浮かんだ。

< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop