ポンコツ令嬢に転生したら、もふもふから王子のメシウマ嫁に任命されました
それはそうと、父はなんと答えたのか。イクシオン殿下の腕を引いて居間まで連れて行き、詳しい話を聞く。

「それで、父はなんて言ったの?」

「結婚は許せないと」

心の中で、「よっしゃ!」とガッツポーズを取る。予想通り、父はイクシオン殿下と私の結婚を、きっぱり断ってくれた。さすがだ。実家に帰ったら、肩たたきでもしてあげよう。

「それに対し私は、許可してくれなければ、ここから出て行かないと返した」

対するイクシオン殿下も強力だ。さすが、ダイヤモンドより頭の固い男である。

「お父様はなんて言ったの?」

「とても、王家の嫁に出せるような娘ではないとキッパリ」

十六年間生きて、初めて父がカッコイイ、しびれると思った。その調子で、イクシオン殿下をこてんぱんにしてほしい。

「そこから三時間くらい、帰っていただきたい、いや、帰らんの応酬をしていた」

「お父様……!」

考えていた以上に、父はイクシオン殿下に対して大奮闘をしていたようだ。勲章ものの大活躍だろう。
頑張った父に、心の中へ勲章を贈る。
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